ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ロボ・ロボ」


日本/公演終了/劇団Merry&Hurry(西田シャトナー作、小寺曜演出)


展示会場に行くはずだった新型用途別ロボットたちが目覚めたのは人間の住んでいない離島だった。西田シャトナーの戯曲を、神戸女学院124&125回生の演劇部OGが集まって上演したものです。
全てをプログラミングされたロボット、だからこその悩みや苦しみ。鉄腕アトムドラえもんまでいかなくても、感情というのは自然に芽生えていくものだというシャトナーの描き方は希望であり、また残酷でもあります。人目にふれることのないモノの唯一の願いが自分の"存在"を証明すること、というのは切なすぎます。アナライザーのみを浮かび上がらせる演出は好きですが、他のロボットたちをそれぞれもっと映えさせるとより豊かな舞台になったと思います。あと無音暗転だけは勘弁。
男役がみな宝塚っぽいのは愛嬌か。ホールの壮大さに作品がのまれてしまうのが欠点ですね。ただ当日パンフレットにあるようにこの芝居が「記録映像」であるならば、舞台上だけを使いあえてハコに収めてしまった方がよりその意味合いを強めれたのでは。