ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「太鼓たたいて笛ふいて」

日本/'04年公演(再演)/こまつ座(井上ひさし作、栗山民也演出)


「放浪記」でお馴染みの林芙美子の半生を描く。大竹しのぶを主役に向かえ、去年三演もされた音楽劇です。
時代に流された作家とでも言うのでしょうか。戦地へ赴き戦場ルポライターとして"太鼓たたいて笛ふいて"戦争の士気を鼓舞した自分自身を恥じ、その後は文字通り心身を削りながら執筆した林の姿を大竹しのぶが血気迫る迫力で演じ上げています。林の言動に井上ひさし反戦の思いが色濃く反映された作品となっています。ピアノの生演奏がステキ。
林の周りの人間たちが戦時下の日本の縮図となっていて。レコード会社の木場勝己がおもしろかったです。