ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「マシーン日記」

日本/'01年公演/スズキビリーバーズ(松尾スズキ作・演出)


家内工場で働くキ××イ家族のエログロバイオレンスな学芸会。よくわからない団体「スズキビリーバーズ」による公演ですが、これってまんま「大人計画」ですよね。「トム・プロジェクト」で96、97年に上演・再演された作品です。
自由を法律的に縛られた女は、自由を物理的に縛られた男のそばで、DV男に殴られながらも、いじめられてた記憶の中にいた当時の教師に出会っても、それでも小さな幸せを生きる。どんなに痛くて辛い日々を送っていても、「オズの魔法使」のオズのような主人公になりたいと思う自分が存在する、というだけの幸せを噛みしめて。役者はみんな好きだったけれど、あまり好みの芝居ではなかったです。
3つの場所があり転換もスムーズでよかったのですが、特に部屋の中が一番好きです。狭くてグチャグチャだけれど棚にのぼって高さも活かすし大量の物が降り落ちるなどインパクトも充分。ハーモニカだってついてるし。中でも阿部サダヲが乾き物かピスタチオの袋で女を殴りつけ中身が宙に舞うシーンが印象的でした。まあそれも片桐はいり個人の存在感(「感」はいらないか。)にはかなわないけれども。