ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ラヂオの時間」

ラヂオの時間 スタンダード・エディション [DVD]
日本/'97年製作/三谷幸喜監督


生放送のラジオドラマが作家の手の届かない所でさまざまな紆余曲折を経て変更されていくシチュエーション・コメディ。実体験を元に書かれた三谷幸喜の劇団時代の代表作を自身の手で映画化したものです。
観るのは何度目になるでしょうか。何度観ても面白い映画ってなかなか出会えませんが、この映画はそんな稀有な例。沢山の登場人物ひとりひとりに光を当て、しかも誰一人邪魔をしない。完璧な脚本と芸達者な役者陣に囲まれたことでこの作品は極上のコメディとなりました。
何よりこのスピード感。畳み掛けられる騒動を生放送という限定された時間に収めたことで、観る側にリアルな緊迫感と疾走感が伝わります。カット割りもまるで長回しのごとく自然でまるで芝居を観てるかのよう。すばらしい。