誰もが感動する言葉の記されたノートを巡る物語。劇団「第三舞台」の最も油の乗っている時期の公演です。
人間の心の奥底にある"言葉"にこだわる鴻上らしい作品でした。『スナフキンの手紙』の前段階のような。鴻上自身まだ"言葉"を見つけていなくて物足りない気がしますが、ただ僕は『スナフキン〜』よりコッチの方が好きです。こちらはより荒削りだけれどシンプルに仕上がっているし、登場人物は馬鹿らしく楽しく切ない。彼らを漫画やアニメのキャラに扮させることで、より自分の"言葉"を捜しているように見える、そんな効果もある気がします。
メイキングを交えたカット版だったのですが、役者が面白いから面白い面白い。大高洋夫・小須田康人・長野里美にはじまり京晋佑・山下裕子・筒井真理子・利根川祐子・伊藤正宏、そして今をときめく筧利夫や勝村政信。皆身体にキレがあり、ダンスシーンなんか特にむちゃくちゃカッコイイのです。これだから第三舞台は好きなんだ。