ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ビー・ヒア・ナウ」

日本/'90年公演/第三舞台(鴻上尚史作・演出)


誰もが感動する言葉の記されたノートを巡る物語。劇団「第三舞台」の最も油の乗っている時期の公演です。
人間の心の奥底にある"言葉"にこだわる鴻上らしい作品でした。『スナフキンの手紙』の前段階のような。鴻上自身まだ"言葉"を見つけていなくて物足りない気がしますが、ただ僕は『スナフキン〜』よりコッチの方が好きです。こちらはより荒削りだけれどシンプルに仕上がっているし、登場人物は馬鹿らしく楽しく切ない。彼らを漫画やアニメのキャラに扮させることで、より自分の"言葉"を捜しているように見える、そんな効果もある気がします。
メイキングを交えたカット版だったのですが、役者が面白いから面白い面白い。大高洋夫小須田康人長野里美にはじまり京晋佑山下裕子筒井真理子利根川祐子・伊藤正宏、そして今をときめく筧利夫勝村政信。皆身体にキレがあり、ダンスシーンなんか特にむちゃくちゃカッコイイのです。これだから第三舞台は好きなんだ。