ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「炎のランナー」

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英/'81年製作/ヒュー・ハドソン監督


民族の壁を越えるべく走るユダヤ人の学生、神の御心のままに走るスコットランド人の牧師。誰よりも速く走ることにすべてをかけた2人の男の姿を描く。1924年パリ・オリンピックに出場したイギリス代表ランナーの実話を基にした、その年の米・英両アカデミー作品賞受賞作品です。この映画のテーマ曲は大ヒットとなりました。
なぜ人は走るのか。他人との競争ではあるけれど最終的には自分自身との闘い。コンマ一秒の世界。自分には到底理解できません。しかし、この映画の中で「走ること」は「自分のメッセージを伝えること」であるとハッキリと語られています。そう、彼らは絵や音楽などでなく「走り」を題材とした芸術家だったのです。
特にドラマチックな展開があるわけでもなし、ただ走ることにもがき苦しみそして喜びを覚える男たちの姿に、さらに走ることに対して限りなくストイックな彼らの姿に、深い感動を覚えた良作でした。