「スナフキンの手紙」
内乱の絶えないパラレルワールドの日本。日本国防軍と乱立したレジスタンスの攻防。"沈没"した人々。そして、ネットの波に漂う"スナフキンの手紙"。
新年最初のこの日記は、昨年最後に続き劇団「第三舞台」の作品です。いじめ・自殺・ネット上の言論といった、現代にも続く社会問題を数多く盛り込んでいる意欲作で、第39回岸田國士戯曲賞を受賞しています。生きる意味を見出せない人々に是非観て欲しい作品です。
笑いも多く含まれているものの、全編通して重い雰囲気。テーマが重いからかしら。最後、変にSFしてたのがちょっとついていけなかったものの、面白く観れました。「脳にダイブする」というのが漫画「甲殻機動隊」を連想したり。まだ浸透していなかったパソコン*1の問題点なども扱っており、その先見の明には驚かされます。
『朝日のような〜』でパッとしていなかった大高洋夫は、今回もパッとしていないながらもはまり役。いい感じでした。小須田康人もおとなしめだったし、やはりそういう演出だったんでしょうね。"封印"前の第三舞台最後の芝居にして、これの正統な続編『ファントム・ペイン』(未見)も観たいなあ。
*1:パソコンは'95年に大ブームとなり全世帯に浸透していく。そしてこれはその一年前の作品。