ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「朝日のような夕日をつれて'91」

日本/'91年公演(4度目の再演)/第三舞台鴻上尚史作・演出)


ベケットの『ゴドーを待ちながら』(未見)の世界をベースにした、現在"封印"中の鴻上尚史率いる劇団「第三舞台」の旗揚げ作品であり、これまでに初演とは別に5度の再演*1がなされている彼らの代表作のひとつ。おもちゃ会社「立花トーイ」の世界と"ゴドー"という男を待ち続けている男たちの世界の二つの世界が交錯しながら話が進んでいく、不条理な作品となっています。以前確か'87年版を観ましたが、昔のことで記憶が薄れていますが、ちょっとの違いがあるとはいえ大体同じでした。
とにかく勢いが凄い。2時間ノン・ストップに喋りまくり動きまくる役者たちからは、鬼気迫る感じも伝わってきます。小須田康人、印象大、おもしろすぎる。筧利夫、小柄なのに輝いてます、今よりも。大高洋夫、華はないけれど誠実な感じ。勝村政信第三舞台だったんだ、これが初舞台だとか*2、でも堂々としていてかっこいい。京晋佑、テンションおかしい、からまわり、だけどそれがまた笑える。
最初からのめり込みました。車や詩人の名前を散りばめた言葉遊びやアニメネタ*3、新劇と小劇場の違いの体現などの小ネタのオンパレード。そしてまた、"静岡県清水市を中心とした電脳ネットワーク「ドラサザエまる子ちゃん」"や"「皇族戦隊ヒロノミヤ」"や"「元祖ゴドーだ!」"など耳に残る台詞も多く、圧巻。そして、汗だくになりながらスーツで踊る役者たちは、何よりもかっこよかったです。

*1:初演'81、後'83、'85、'87、'91、'97

*2:本当は『〜'87』が初舞台だそうです。なのでこの記述は間違いでした。ただ観た当時の感覚をそのまま伝える、というこのブログの方向性に沿い、あえて訂正は行いません。あしからずご了承ください。2008/03/24

*3:ドラゴンボール」や「ちびまる子ちゃん」といった名作から、「パトレイバー」や「伝染るんです」といったマイナーものまで。爆笑。