ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ブルーバーズ・ブリーダーズ」

日本/公演中/ヨーロッパ企画(上田誠作・演出)


劇団ヨーロッパ企画第21回公演の最新作です。幸福をよぶ「青い鳥」を捕まえろ、との社長の一声で始動した青い鳥捕獲プロジェクト。そのメンバー達の、青い鳥が住むといわれる山中で繰り広げられるドタバタコメディ。今回は本拠地京都に乗り込みました。中之島演劇祭2006参加作品です。
まず、納得のいかないこと。上演時間短すぎ。入口に「上映時間1時間10分」と張り出してありましたが、実質1時間弱ってところか。内容に深みはなく(期待はしてませんが)、「え、それで終わり!?」というオチの無い結末、観劇後は呆然としていつも書くアンケートも書かず、心には何も残らなかったです。これで2500円でもどうかと思いますが、中之島3700円はボッタクリでしょう。演劇祭用に短くしてあるのならば、チケット売り出しの前に短い旨をハッキリと公表しておくべきでした。なけ無しの金はたいてワクワクして観に来てるんです、値段の問題だけじゃなく、プロなんだったらそれなりのレベルの物を演ってください。
ほぼいつも通りの役者陣、ほぼいつも通りの役柄、ほぼいつも通りのユル〜イ雰囲気はヨーロッパらしかったです。ただ土佐和成が真面目なまとめ役という、彼に抱いてたイメージと違う役で少し違和感アリでした。喧嘩の場面は彼らしかったな。本広監督に気に入られた永野宗典はもっといじられキャラでもよかった。狭い舞台にウジャウジャ人がいて、左右まんべんなく観てないと面白いシーンを見逃してしまうので目が大変疲れました。それはそれで好きなんですけど。もっと吊り橋とか高低差を生かした演出があったら、より良かったかと。最初の映像での説明も安直。
全体的に、本公演というより、彼らお得意の「DVDのおまけ」的な芝居でした。次回は再演だとか。なんか再演多すぎません、上田さん?ヨーロッパ企画は初めてのお気に入り劇団だし期待もしてるんで、過去の良作に頼らずに新作でガツンとくるものが観たい。そして、最後のカーテンコールはもう少しどうにかした方がいいです。物販に力入れる前にやるべきことはある筈。