「それでも夜は明ける」
米/'13年製作/スティーヴ・マックィーン監督
奴隷制の残る19世紀のアメリカで、南部に拉致された黒人が12年の奴隷生活を経て帰還を果たす物語。アカデミー作品賞受賞作で、実話に基づくのだとか。
自由とフロンティアの国アメリカにおいて、奴隷制と黒人差別は大きな闇として扱われるも、その実態はいまいち掴めないというのが印象。この作品でも雇用主を基本的人権を理解しない野蛮人のように描いており、どうもフェアではないように感じてしまう。もちろんだからといって容認できるところは何もないのですが。
不屈なキウェテル・イジョフォー。
「ミニヴァー夫人」
米/'41年製作/ウィリアム・ワイラー監督
第二次世界大戦最中のイギリスを舞台に、幸せをかみしめる家族の物語。アカデミー賞作品賞はじめ6部門受賞作です。
日本との国力の差というものをまざまざと見せつけられるのが戦時中につくられた映画。劇中でも空襲に怯えながらも新婚旅行へ出かけたり、花の品評会まで開いてしまう。戦意高揚の狙いもあるのでしょうが、時代が移り変わるなかで変わるものと変わらないもの、そして一瞬一瞬の大切さを再確認する作品でした。
タイトルロールとはいえ特に何をするわけでもないグリア・ガースン。
「アウト・オブ・サイト」
米/'98年製作/スティーヴン・ソダーバーグ監督
銀行強盗と連邦保安官の叶わない恋の行方を描く。
ベタな展開でもスタイリッシュにしてしまうのがソダーバーグの作家性。ツッコミどころ満載のフォーリンラブなのに、ヒロインの男運が悪い設定で、さもありなんな空気を醸してくるところが単純ながらニクい。ウィットに富んでビジネスライクな犯罪者ばかりで安心して観られるというのもいい。
フェロモン全開のジョージ・クルーニーと、フェロモン全開のジェニファー・ロペス。