ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「紙の月」

紙の月 DVD スタンダード・エディション
日本/'14年製作/吉田大八監督


とある銀行員が横領に手を染めていく過程を描く。角田光代の同名小説の映画化です。
凄まじいの一言。きっかけはどんなときでも些細なことで、そして落ちていくのはあっという間であるということ。説明なんて存在せず、それに巡り合った瞬間に、ただ落ちていく。お金はまやかしであり、まやかしの人生を更なるまやかしで埋め尽くす。世の中には超えてはいけない一線というものがあって、それを超えてしまったときに見える世界の一片を、見せてもらった気がします。
宮沢りえの狂気。ありきたりな大島優子。こちら側代表で居てくれる小林聡美