ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「空中のエス」


日本/公演中(マチネ)/Sの字×空宙空地合同企画(関戸哲也作・演出)


心がざわりとする短編集。関戸率いる「Sの字」とおぐりまさこ率いる「空宙空地」の合同公演だそうで、どちらも初観劇です。
どこかなにかのタイミングで精神のぜんまいが狂ってしまった人々。それは深夜労働のおばちゃんだったり、芸大に通う若者だったり、カフェの店員だったり、付き合いの永そうなカップルだったり、心閉ざした女の子だったり。どこにでもいる人々が脆く崩れた「関係」に、心残りしながらもさよならをする姿をそっと見つめる短編たちでした。決断するのは全部女性というのはさもありなん、男の描写にも魅力があったら尚よかったなと思います。
オープニングアクトの一人芝居「ライト」と、後半の「雨の日はジョンレノンと」が特に楽しめました。つまりおぐりまさこがよかったのかな。