ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ギルバート・グレイプ」

ギルバート・グレイプ;WHAT'S EATING GILBERT GRAPE [DVD]
米/'93年製作/ラッセ・ハルストレム監督


小さな町に住み、知恵遅れの弟と肥大化した母をもって自分を殺してきた青年が、家族と接しながら自分自身を探していく。若きジョニー・デップレオナルド・ディカプリオが共演していることで有名な作品です。
重苦しくなりがちな物語を爽やかに描ききることが出来たのは監督の力量かジョニー・デップの佇まいか。感情を排することで環境に馴染もうとする主人公を誰が責められましょう。「帰らなくちゃ」と呟く彼は自分の心の中に帰っていたのだと思います。帰るのではなく"行く"ことを選んだ最後にやっと、自分自身と向き合い始めることができたのではないでしょうか。良い青春映画でした。
今までジョニー・デップを騒がれているほどのイケ面だとは感じなかったのですが、この映画の彼はまさに正統派美男子。考えを改めます。