ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「灼熱恐龍」


日本/公演中/浪花グランドロマン(浦部喜行作・演出)


進歩と調和を合言葉に、田舎町にまで押し寄せる高度経済成長の波に打たれながら生きる人々を描く。浪花グランドロマン毎秋恒例のテント公演です。
昭和の泥臭さが、ほとんどベタベタな展開ながらも、公園の砂地に立つテントという会場の泥臭さと相まってリアルに感じられる空間がすてき。身の丈にあった生活をしてきた人々が「発展」という言葉に踊らされる。過去は思い出したくもない、けれど過去を背負って今がある、そんな当たり前のことが重くつらく、そして希望となる。少女の成長のくだりは少し鼻白みました。
ラストの屋台崩しからのテント公演の醍醐味、とってつけた感が大きかったのが残念。あれだと書き割りでもあんまり変わらない気がします。もったいない。