ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「サンタクロースが歌ってくれた」


日本/公演中(四演)/演劇集団キャラメルボックス(成井豊作・演出)


映画の登場人物が銀幕を抜け出し東京の街を駆け巡る。キャラメルボックス25周年のラストを飾る代表作のひとつにして、かつての仲間にして看板俳優だった上川隆也近江谷太朗が客演として帰ってきた話題作です。ついにキャラメル初観劇。
キャラメル版『カイロの紫の薔薇』、というより最早「原作」か。でも芝居と映画と現実がいい塩梅に混じり合う三重構造と、『真昼の決闘』みたくリアルタイムな演劇において更に上演時間と現実時間とをシンクロさせる構成によって『カイロ〜』に負けないオリジナル作品に仕上げられており大満足。婦女子の気持ちに共感できないのは女心がわかってないのかしらん。
鳴りやまないカーテンコールでの、上川・近江谷に「だっていつもより本当に劇団みたいなの!」という古参大森美紀子の言葉は心からの気持ちでしょう。そして西川浩幸の「僕たちはいつでもここ(劇場)で待ってます」というのは劇団の気持ち。劇団が温かいからこそ観客の心を温かくさせられるのでしょうね。