ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「トーマの心臓」

日本/'10年公演/劇団スタジオライフ(倉田淳作・演出)


誰からも愛された一人の少年が死んだとあるドイツのギムナジウムを舞台に、少年期特有の脆く美しい日々を詩的に描く。萩尾望都の名作漫画を男だけによる劇団「劇団スタジオライフ」が演劇化した作品です。スタジオライフは初見。
原作に結構忠実でした、良い意味でも悪い意味でも。良い意味では、日本人の「赤毛モノ」ながらも世界観を極力壊しておらず、また展開が原作通りな分舞台転換に邪魔にならない程度の躍動感をもたせた点で、面白さは維持できたと思います。悪い意味では、暗転が多いのと、コミカルな部分だけを削ってしまったために重厚感が強くて3時間は少々長く感じられた点でしょうか。
キャストはWキャストだったようで多分今放映は東京Blauチーム版。オスカーとエーリクはハマっていたのですが、主人公ユリスモール役の青木隆敏だけは最後まで違和感がありました。