ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「最前線にて待機」

日本/'08年公演(再演)/売込隊ビーム(横山拓也作・演出)


戦場の最前線で待機命令を受けている兵隊たちの群像劇。中之島演劇祭参加公演作品でして、再演希望の一番多かった人気作だとか。ビームは2作目。
おもしろい。ただしそれなりに。役者がどれも同じように見えてしまい、キャラ分けが弱いように感じました。そして戦場のリアリティが全く伝わってこない。最初はそういう方向性の芝居なのかとも思ったのですが、どうやらラストへの持って行き方としてはそうではないようで。ラストのシリアス部分が浮いている気がします。
始まりのバリケードを挟んだ2つの部隊が互いに別々の話をしながらも、それが絡み合っているという台詞の掛け合いは好きです。映像版のせいかちょっと聞き取りづらいところはあるも、それはそれで台本の巧さでカバー。回り舞台有効活用、さらにストーリーに絡めててなお良し。ただ文字盤って回転するかしらん。疑問点。透明の箱をバリケードに見立てた装置はかなり好きでした。ただ壁以外にもっと色々使えたと思うのですが。ちょっと勿体なかったですね。