ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ベルゼブブ兄弟」


日本/千秋楽/劇団鹿殺し(丸尾丸一郎作、菜月チョビ演出)


威圧的だった父親の葬儀に集まった息子たちが、親の呪縛から放たれ狂いゆく様を描く。関西発ながら東京進出後にブレイクした若手注目劇団「鹿殺し」第19回公演です。鹿殺しは初観劇。
前日のオール明けでうつらうつらしてしまったのが非常に無念。役者の爆発するエネルギー、鋭い照明、爆音といった方がいいような音楽。まるで舞台上から客が殴りつけられているかのような。役者が皆少々うさん臭すぎるものの、その個性故に惹きつけられます。障子の使い方が全体的にステキでした。ただ笑い部分に全くついていけなかったのは何故だろう。スタンドなんか無駄に面白かったのに笑えなかった。そもそもこの芝居が好きか嫌いかさえ判断できないくらい頭が働いていなかったのです。ただ「すごい!」という意識だけは強く残っています。万全の体調で臨みたかったと後悔。
2年ぶりの関西帰還、そして千秋楽とのことでダブル・カーテンコール。義務的じゃないダブルの拍手をするのは初めての経験でした。劇団員一同慣れてなさがクッキリ出ていて、メイク落しかけの役者や着替えかけの役者がいたり礼が揃わなかったりと舞台上でアタフタしている姿がほほえましい。好き嫌いは別として、あれは拍手を鳴らし続ける価値のある芝居でした。次回作は体調を整えてから観なくちゃ。