「極付 国定忠治」
喧嘩は強くて義理人情に厚いやくざな大親分、国定村の忠治の半生を描く。劇団「新国劇」による全4幕ものの内、赤城山を追われる1幕とその後諸国を放浪する忠治を描いた2幕を取り上げた作品です。
沢田正二郎や辰巳柳太郎、島田正吾はもう知らなくても緒形拳が所属していたことで名前は聞いたことのある「新国劇」。ですが、観るのは初めて。歌舞伎を"国劇"とし、自分たちの演劇は「新しい国劇」=「新国劇」であるという決意表明の名を背負った殺陣が売りの大衆劇団。とは言うもののかなり歌舞伎色の濃い舞台でした。お囃子にのって花道から登場したり、喋り方や身のこなしが型にはまっていたり。
1幕はタルかったのですが、2幕は1幕とは違いコミカルだったので面白く観れました。1幕で観れるのは「赤城の山も今宵限り…」という名台詞だけ。まあここもあまりどうというわけではないのですが。それよりも観客の要所要所の掛け声のダイミングの見事なことに耳がいくのです。"大衆演劇"の一片が見れた気がしました。