アニメ「鉄コン筋クリート」

日本／'０６年製作／マイケル・アリアス監督

どこでもない世界のとある街をシマとする少年と街を開発しようとするヤクザとの攻防を描く。松本大洋原作の名作漫画をスタジオ４℃によってアニメ映画化した作品です。
４℃はクオリティの高いことで有名ですが、この映画はクオリティというよりも「センス」のひかる作品でした。松本大洋のヘタウマな絵をそのままに登場人物たちが自由自在に街を駆け回る。ゴチャゴチャした街にぐちゃっとした絵のマッチしてること。たまの背景が消えるシーンと街をパノラマで見渡すシーンが好き。ただ心理描写で絵のタッチががらりと変わるのはいいのですが、その絵にあまりパンチ力がなかったのは残念。
かなり精神面の内容。自分が自分の中の何かと出会い、もがく。それは２人の主人公の少年だけでなく、脇役のヤクザの片腕もそうだし母親を人質に取られるチンピラもそう。それは誰にでもある苦悩。街を守るということは自分自身を守るということ。自分の殻を破るためには街を出なければならないのかしらん。
蒼井優は凄い。完璧。二宮和也はちょっと浮いてました。