ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「キレイ―神様と待ち合わせした女―」


日本/公演中/神戸大学はちの巣座(松尾スズキ作、鳥演出)


3つの民族が闘い合うパラレルワールドの日本を舞台に、一人の少女「ケガレ」が穢れながらも懸命に生きる様を描く。劇団「大人計画」の松尾スズキのミュージカル作品を、神戸大学はちの巣座が普通の芝居として上演しました。
今まで観た学生演劇の中で1、2を争う出来。まずフライヤーにヤられた*1のですが、劇場に入ってのシンプルでかっこいい舞台美術にまたヤられました。猥雑でありながら切ない松尾スズキ台本をかなりのレベルで自分たちのものにしていた気がします。映像を活かした演出も良い。個々の役者の技量がもう少しあれば完璧な舞台になっていたのでは。それでも2時間半の上演時間を微塵も感じさせない見事な仕上がりでした。
ただ。ミュージカルだとハナから思ってたので、少し肩透かし。まあ完全でやれば3時間半になる芝居なのでしょうがないか。ナンバーが全て削られててもストーリー展開上違和感がなかったので、巧い脚色だったのだなと思います。

*1:「はちの巣座」は宣伝美術が独立した集団となっているそうです。