ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「さようなら僕の小さな名声」

日本/'08年公演(再演)/五反田団(前田司郎作・演出)


無名の劇作家が突然演劇界の芥川賞と呼ばれる"岸田戯曲賞"を取ったことから、彼のまわりの世界が動き出す。前田司郎率いる若手注目株劇団「五反田団」の公演です。「五反田団」は初見。
劇作家の妄想と舞台上の現実とが混在しつつ話が進んでいくのですが。さらに主人公である作家前田司郎を、現実の作家である前田司郎自身が演じており、余計ややこしい。つまり現実の劇作家と舞台上の劇作家とその妄想という3本の線がもつれあっているのです。後半になっていくと妄想が膨張していき、でもどこか現実に思えてくるという、自分の頭までもつれてくる、そんな芝居でした。うん、文章までもつれてきた。
近年はやり(?)の、良く言えばリアリティのある、悪く言えばダラダラとした発声方式。それに加え展開は速いのに進展しない物語。だから何だ、ていう。蛇の話だけで膨らました作品が観たいです。