ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ブロークバック・マウンテン」

ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション [DVD]
米/'05年製作/アン・リー監督


悩み苦しむ二人のカウボーイの至極の愛の物語。アン・リーはこの作品でアジア系初のアカデミー監督賞受賞という快挙を達成しました。
静かに心に染み入る心地よい映画でした。雄大な自然の美しさは見事。けれど、どうしても内容の特異性にばかり意識がいってしまって、多分この映画の持つ良さの半分も楽しめられなかったのでは、というのが本音。自分は"男同士の恋"に対してそんなに拒否反応はない方だと思っていたのですが、直接的な"その場面"はちょっと・・・。生理的に受け付けなかった人も多々いるかと思います。
米国人は"カウボーイ"というものに対してかなりの固定観念があるらしく、「カウボーイの同性愛?ありえない!」ていう意識が強いんだとか。作中でもそんな描写やエピソードがあったり。この作品が、アカデミー作品賞を本命視されてたのに獲れなかったのはそのためだ、という噂が流れたりもしてましたしね。まあカウボーイを"侍"に置きかえてみたら何となくわかりますが。
いわばこの作品、日本の「やおい系同人誌」の芸術版、といったら失礼か。