ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「色即是空で無様なお前」


日本/公演中(ソワレ)/なんだかんだクレイジー(TERU作・演出)


戦後すぐのドサクサにまぎれ、奇妙な因習の残る村を訪れた女衒の物語。初観劇。
語られる言葉が薄く、まず設定が見えてこない。そこには飢えも苦しみも快楽も情欲も生死の境もない。劇場の外の通路まで美術で作りこみ、世界観を構築したことが裏目となり、場内での観客の位置づけがテーマパークのアトラクションに矮小化されてしまったのが残念。挟まれる現代的なダンスのちぐはぐさも目立ちました。
役者は発せられる言葉の音にもっと注意を向けた方がいい。