ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜」

日本/'09年公演/清水邦夫作、生瀬勝久演出


演劇への未練を捨てきれず劇場の楽屋に取り付く幽霊たちの姿を描く。清水邦夫の戯曲に豪華女優陣を迎え、俳優の生瀬勝久が演出して話題となった公演です。
舞台で花開くことなく死んでしまった時代も年齢も違う霊。お互い喧嘩したりもするけれど、根底にあるのは演劇への愛。なんとも芝居人の好きそうな楽屋ネタです。題名からしてズバリですね。チェーホフの台詞を謳いあげるにしても、戦前と戦後で訳が全然違うところをギャグにするなど、内容もかなりマニアック。来ることのない出番を待ち続けてメイクをする霊の気持ちもわかる気がします。芝居人の芝居人による芝居人のための作品でした。
渡辺えり小泉今日子蒼井優村岡希美の年代の違う4女優の共演、いや競演。渡辺えりの一人勝ちかと思いきや、なかなかどうして。捨てキャラ無しです。