ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ライフ・イズ・ビューティフル」

ライフ・イズ・ビューティフル [DVD]
伊/'98年製作/ロベルト・ベニーニ監督


舞台は第二次大戦の頃のイタリア。妻と子供に深い愛情を注いだ、機転が利き、口の上手なユダヤ系の男の人生を描いた映画。監督・脚本・主演すべてをロベルト・ベニーニが担当してます。
前半のコメディタッチと、後半のナチスの収容所でのシリアスなタッチとの落差が激しくてショックでした。イタリアも強制連行があったんですね、知りませんでした。全体を通して脚本の巧みさに脱帽。主人公が念じればすべてその通りになるのも、御都合主義ではなく筋がキチンと通っていて。特に前半部分は、あれが伏線だったのか、と驚きっぱなしでした。
主人公が働いていたホテルのお客で、意気投合したクイズ好きのお医者の先生と収容所で会ったときの、その医者の言動もショックでした。主人公は逃がしてくれると期待してたのに、彼の言うことは解けないクイズのことだけ。悪気はないのかわかりませんが、相手のことを考えてあげられない人だったんですね。みんなが少しでも相手の立場に立って考えられたら、あんなひどいことは起きなかったかも・・・。
観終わったときに、題名である「ライフ・イズ・ビューティフル」という意味を考えると、胸にグッと来るものがあります。ロベルト・ベニーニっていう人は、イタリアを代表する喜劇俳優だそうです。どうりで間がよくておもしろいわけだ。