ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「望郷」

仏/'37年製作/ジュリアン・デュヴィヴィエ監督


これまたフランス映画の傑作。名優ジャン・ギャバン出世作です。監督は日本人好みと言われるデュヴィヴィエ。
主人公は街の顔役であり、本職大泥棒のペペ。どこにいるかはわかるのに、ゴチャゴチャしたカスバの街並みに加え住民の絶大な人気があり情報がすぐに伝わるため、なかなか警察は捕まえられないという初期設定。昔も今も情報を制したものが勝ちだということか。
ペペが何よりもあのフランス女性に入れ込んだのは、彼女の存在が、彼にとってカスバを出られるかもしれないという希望だったんでしょうね。だから最後、捕まるとわかってたのに街へ下りていった。最後のチャンスを掴もうと。