ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「勝手にしやがれ」

勝手にしやがれ [DVD]
仏/'59年製作/ジャン・リュック・ゴダール監督


カット割り(っていうのかな)をブツ切れにし、それをもう一度繋げてある、今までに観たことがない映画でした。女と見たらすぐに惚れ、強盗、空き巣、警官殺しもなんのその、な無鉄砲で無気力な若者を描く。主演は当時、世紀の美男子アラン・ドロンと人気を二分したジャン・ポール・ベルモンド
彼が最期に言う「最低だ…」というのは、密告したパトリシアのことというよりかは、惨めに死んでいく自分自身のことを言っているのだと思いました。密告した彼女を恨んでいるようには見えなかったので。しかし、パトリシアも強い。たぶん本気で彼に惚れていただろうに、彼の死に涙さえ流さないのだから。「愛」より「自由」を選んだ彼女に悔いはないのですね。
あと、主人公の、親指で唇を拭うクセには何か意味があるのでしょうか。どうも強調されてたように感じましたが。