ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

愛と死をみつめて

愛と死をみつめて
日本/’64年製作/斎藤武市監督


難病に侵された大阪の女学生と彼女を想う東京の男子学生のプラトニックラブ。書簡集が書籍化されベストセラーとなった作品の映画化だとか。
時折顔をのぞかせる現実の非情さが刺さる。お金がなくてすぐには見舞いに来れない恋人や治療費を苦労して捻出する親のことを思うと、自分の病気のせいで皆を苦しめているように感じる一方で、誰かの役に立ちたいと入院患者の世話をかってでると誹謗中傷を受ける。それでも脆く崩れそうな心を細くつなぎとめるものは多くの優しさだったのだと思います。
吉永小百合浜田光夫。父親の笠智衆が深い。