ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

走れメルス~少女の唇からはダイナマイト!

日本/’04年公演/NODA・MAP野田秀樹作・演出)


下着泥棒と青春に縛られた女の鏡越しの情愛を描く。観るのは3度目です。
未だ見ぬ君に恋焦がれ、その蜉蝣を追い求め続ける青春の焔は、死の匂いと相まって、美しく儚く狂おしい。淡く切ない恋愛模様を初期野田戯曲らしいふんだんな言葉遊びと猥雑なエネルギーで描き切る/走り抜ける普遍的な物語は、初演から45年経つ現在においてもファンから愛され続ける所以でしょう。他の野田作品よりも未完成な感じがするのも魅力的だったりします。
中村勘太郎(現・勘九郎)と深津絵里。アンサンブルまで豪華。