日本/'57年製作/小津安二郎監督
母親が蒸発し父親のもとで育てられた姉妹が、親子の在り方に悩む姿を描く。
離婚した父親、夫とうまくいっていない子持ちの姉、子供ができたのにハッキリしない恋人をもつ妹。親子の関係をうまくつくることができない家系なのでしょう。もはや呪縛といってもいいのかもしれません。ラストの姉の決意は旧型思考ではあるけれど、それまでの過程からいえばひとつ駒を進めたのは確かで、なんとか幸せになれることを祈るしかない。批判的な描き方がされていないことが救いでもあり、冷酷でもある。
原節子と有馬稲子の美人姉妹。メインなのに物語に絡んでこない笠智衆の日本の父親像。