ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

喝采

日本/’17年公演/加藤健一事務所(クリフォード・オデッツ作、松本祐子演出)


酒におぼれたかつての名優を再起させたい演出家と、役者の妻の攻防。
2幕の急展開についていけるか不安になりましたが何とか喰らいつきました。創造活動するにあたっての焦りや不安といったプレッシャーは誰でも覚えがあり、それを乗り越えるためにはたくさんの支えが必要であること。ただ、今作の注目すべきは、内助の功になりがちな妻が母親的存在やお守りのような役目ではなく、自立したひとりの人間として認めてほしいと葛藤する視点で描かれているところ。最後の拍手は彼女への喝采でもあるのです。
役者に加藤健一、妻に竹下景子、演出家に山路和弘