ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

湯を沸かすほどの熱い愛

湯を沸かすほどの熱い愛
日本/’16年製作/中野量太監督


余命宣告をうけた母親が、家族と向き合っていく死と再生の物語。
さりげない描写が記憶に残り、伏線として鮮やかに回収されていく巧みな脚本に唸る。よくある余命モノであるにもかかわらず、観終わったあとの清々しさたるや。誰よりも他人の主人公が、誰よりも家族を愛し、𠮟咤し、励ましていく。何より良かったのは、そこに押しつけがましさが一切ないこと。他人のためではなく、自分ごととして他者と対峙する姿勢に強く共感を覚えました。
信念の宮沢りえオダギリジョーも、杉咲花も、好演。