ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

あの記憶の記録

日本/’17年公演(再々演)/劇団チョコレートケーキ(古川健作、日澤雄介演出)


イスラエルに住む家族が、語られなかったアウシュビッツの記憶をこじあける。様々な賞に輝く劇団、初鑑賞です。
ホロコーストを題材にした人間ドラマは、海外戯曲かと誤認するかのごとく、その筆は太く。使命感でも贖罪でもなく、それを語らざるをえないというリアルに、押し潰されるようでした。憎しみの連鎖は断ち切れるのか、個人に優先される「国」があるのか、という問いは、深く、重い。
妻役の吉田久美による最後の台詞は満点。