ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「真夜中の弥次さん喜多さん」

日本/公演中(多演)/KUDANproject(天野天街作・演出)


本当の「リアル」を探してお伊勢へ参る途中の2人が見た愛と夢の話。しりあがり寿の同名漫画を奇才・天野天街が演劇化し再演を重ねる人気作です。
生と死の狭間で揺らぐ現世は果たして「リアル」なのか。そんな不安に押しつぶされそうで、かといって死ねなくて、降りだした雨で振り出しで。それでも弥次と喜多、お互いだけが、リアル。原作の耽美さは無く、愛より夢ばかりだった印象はあれど、演劇のウソとマコトを120%使い切った、漫画原作ながら演劇でなければならない秀作でした。
寺十吾と小熊ヒデジ。2人芝居だけれども大忙しな裏方さんがベストアクトかもしれない。