ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「終の楽園」

日本/'14年公演/文学座(長田育恵作、鵜山仁演出)


高級老人ホームで暮らす気難しい老人と子供たちの遺産相続の争いを通して「家族」の在り方を問う。
4人の兄弟はそれぞれが違う親を持ち、か細い線で偶然つながっている。また、偶然その場に立ち会うことになった画家は子供が産めない。偶然のもとに形成される「家族」であるからこそ信じることでしかその偶然を受け入れるすべはない。永遠の命を手放した結果としての人類だとするならば、限りある命とどう向き合い、どう扱うのか。問いは非常に大きい。
金内喜久夫がつかみ取る生と死。