ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「時代屋の女房」

時代屋の女房
日本/'83年製作/森崎東監督


野良猫とともに迷い込んできた女と小道具屋の主人の人情喜劇。
なんとも不思議な感触だけれども、言うなれば妄想に近い浪漫に溢れた映画だと思います。世間から外れて好きに生きているようにみえる男は傷つきやすく、家出を繰り返す女の素性を聞く勇気もない。美人で謎めいた女が家出を繰り返すのは、人々の人生を色づけてきた時代の移ろいそのものなのかもしれません。
抜群にキュートな夏目雅子ですが、引き出しているのは渡瀬恒彦だと思う。