ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「羊の木」

日本/'18年製作/吉田大八監督


仮釈放の受刑者を極秘裏に受け入れる過疎対策施策をとった港町に忍び寄る事件。山上たつひこいがらしみきおというギャグ漫画の二大巨匠が手掛けた異色社会派漫画の映画化です。
罪は消えるのかというよくある話だと思っていたのですが、いいやどうして、人間は変わるのかという話でした。映画の中の誰がどうとかではなく、翻って自分はどうなのかを突き付けられる。一線を越えた者もそうでない者も、レッテルを貼って整理することはできず、そこに答えなんてない。みんな弱く、しかし生きていかざるをえない。
松田龍平の凄みとエグみ。