ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ただの自転車屋」

日本/'16年公演/劇団東京乾電池(北村想作、柄本明演出)


島の民宿に泊まりに来たB級映画撮影チームが、島の歴史を語る自転車屋と出会う。創立40周年を迎えた「劇団東京乾電池」に北村想が書き下ろした記念公演です。
ベテランたちによる高度なお遊びを観たような。島内に電気屋がなく簡単な家電修理は自転車屋が請け負うという人を喰った設定からはじまり、純朴な少女の話題から邪馬台国伝説まで飛び出す。柄本の掴みどころのない演出と、北村の長い説明台詞と、噛もうがトチろうが何でもありの役者。そしてそれらを包み込むように笑い続ける観客たち。長寿劇団は愛されているんだなあとしみじみ。
柄本明ベンガル綾田俊樹。"普通の人"を演じられる強み。