ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「仲直りするために果物を」


日本/公演中(マチネ)/城山羊の会(山内ケンジ作・演出)


家賃を滞納している兄妹とヤクザまがいの大家さん達の取り立て中に起こった一部始終を描く。岸田戯曲賞受賞作家山内ケンジ率いる「城山羊の会」の受賞後第一作です。初観劇。
冷静に考えれば、いや平常ならば凄惨極めるドロドロ展開でしかないのに、劇場はずっと笑いで包まれているこのギャップはいやはや癖になります。他人の不幸は蜜の味といいますが、この芝居が描き取っているのはそんなことではなく。こういうのも「不条理劇」と呼んでいいのかしら。きっと台本が緻密なんでしょう、或いは演出家が狂っている。悔しいけれど、べらぼうに面白かったです。
出てくるのは普通なのに変な人ばかり。