ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「さよならウィキペディア」


日本/公演中(ソワレ)/劇団ジャブジャブサーキット(はせひろいち作・演出)


四方をビルで囲まれた鍵のかかっていないビルの屋上に集まる曰くつきの人々の群像劇。
管理された現代社会では屋上というものがSFになってしまっていて。そこに非行少女が居ようが、地球外生命体が居ようが、場所自体のもつ歪みがすべてを包括してくれる。この作品に出てくる彼らも、その場所だからこそリアリティを持ち得たのだと思います。惜しむらくは、誰かがもう語ってしまっているような物語だったこと。インターネット上の記憶への言及は少なくとも鴻上尚史のそれを超えて欲しかった。
はしぐちしんが抜群のバランスで現実をとどめる。