日本/'87年製作/五社英雄監督
江戸から脈々と続いた政府公認遊郭「吉原」が滅びるキッカケとなった明治の大火災を、そこで生きる女たちを通して描く。
伝統としきたりによって化粧を施された華やかな表舞台を支える裏の現実。「女」であることしか武器をもたない遊女たちが、その武器を効果的に使えない不器用さであったり、武器にすら成り得なかった絶望感をまといつつ、金魚鉢のなかをただプライドのみにしがみついてプカプカと漂う姿は凄惨です。主人公がすべてを得てすべてを失ったその瞬間、象徴であった吉原自体も滅びるのですね。
名取裕子は若くてもおばさん顔、今の方が良い。