ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「野獣降臨」

日本/'82年公演(再演)/劇団夢の遊眠社(野田秀樹作・演出)


6年振りに観ました、野田の岸田戯曲賞受賞作です。以前の感想は過去の日記より→id:totte:20070814、id:totte:20080418。
歌人俵万智曰く「古典と呼ばれるようになる」野田作品。この作品は特に「竹取物語」に匹敵する壮大な絵巻物であるといえる。船上生活者と十五少年漂流記アポロ計画の連想。この横糸に細菌=最近⇔古代=誇大が縦糸として折り重なる構成。天界を満たす物質であるエーテルの海を漂流する人々が顕微鏡の中を漂う細菌とシンクロしたとき、この物語は普遍となったのだと思う。
上杉祥三のアポロ獣一と段田安則の所長。初演時は逆の配役だったと言われてもピンと来ません。