ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「非常の人 何ぞ非常に〜奇譚 平賀源内と杉田玄白〜」

日本/'13年公演/パルコ(マキノノゾミ作・演出)


稀代の天才とも変人とも呼ばれた男・平賀源内の半生を友人であった杉田玄白との交流を通して描く。パルコ劇場40周年記念公演です。
常ならざる者が常ならざる者として生きようとし、凡人と変わらぬことに気づいて他人の罪を被って死ぬ。それこそが常ならざるということに気づかずに。玄白が、非常の人の死には感情が揺さぶられないのにただ「今後一緒に酒を呑めない」という平凡なことによって源内の死を心から悼むラストシーンは、「非常の人」と「凡人」の心の通い合いの面白さがありました。
男5人芝居。佐々木蔵之介は源内ぽくなく、岡本健一は玄白ぽくないのが痛手。篠井英介がやはり巧い。