ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「裸のリア王」


日本/公演中/短距離男道ミサイル(W・シェイクスピア原作、澤野正樹総合演出)


3.11震災を経験した仙台の若手演劇人が集うパフォーマンス集団による「リア王」。最近よく名前を見かける劇団の初2時間にして初全国ツアー、初観劇です。
団体として震災を強く打ち出しており、荒野を彷徨うリアの姿は東北の地を連想せざるをえず。身近な人間の裏切りや不信を描いたこの作品を選んだのは美徳ばかり語られる挿話への反発でしょうか。活動歴わずか2年のあゆみと結成時の信念への総括だったと取れる今作、であるならば次回のミサイルは次ステージに進まなければ"意味"がない。
震災は"目的"ではなく"きっかけ"であるべきだと思う。衣装の布は極端に少なく身一つ、文字どおり身体を余すことなく使ったエネルギー芝居。小濱昭博が光った。