ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「そして父になる」

日本/'13年製作/是枝裕和監督


6年間育てた子供が別の家庭の子と取り違えられていたエリート会社員の家族が真の「家族」になるまでを描く。カンヌ映画祭審査員賞受賞作です。
来ない。グッときそうなシーンは沢山あるのにどうも心にまで響かない。それまで当たり前だったことが突然揺らぐ、その衝撃たるや、その掻き乱されたるや。ただ「そして、父になった」というラストはすんなり受け入れられません。そこまでの6年間「父」ではなかったというのでしょうか。取り違えによって「家族」の定義が崩れた中で、子供との接し方如何が最も描かれるべき内容だったとは思いません故。
そもそも「家庭」にリアルを見出せなかったのも要因のひとつなのかもしれません。福山雅治×尾野真千子も、リリー・フランキー×真木よう子も。