ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ラブなま」


日本/公演中/劇団うんこなまず(繁澤邦明作・演出)


新進気鋭の大阪の若手「劇団うんこなまず」がラブを垂れ流す。「劇場」にこだわりはじめたということで、劇団名といい何かと気になる存在です。
情報過多。コミュニケーション能力の無さ。持続性の欠如。街=社会は此方を見てくれないとはなから諦めて人生をちゃかし続け、どこか遠くへ行きたいとはいいながら「遠く」なんて個人の捉え方に過ぎないことまで知っている。そんなある意味救われない現代を、しかし決して否定的なわけでなく、リピートとコラージュの多用で切り取るだけ。だから、優しい。そしてラスト、街=社会は「ただそこにある」。以前の作品のように変な「繋がり」を良しとしなかったところに共感を覚えました。
男6人に囲まれた紅一点・笹暮ととの異次元さが鍵。宮本将吾の安定感と爆発力が群を抜いています。