ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「こんばんは、父さん」

日本/'12年公演/二兎社(永井愛作・演出)


借金取りに追われてかつての仕事場に逃げ込んだ父親と、疎遠になっていた息子とが再会しこれまでの人生の空白を埋めていく。劇作家永井愛率いる「二兎社」による公演です。
息子が可愛くて仕方が無くて多大な期待をかけてしまうダメ親父。対するは、父親が好き過ぎてかえって反発してしまうダメ息子。お互い口下手で本当の事を言えないところが似てしまったから、いらない対立を招いてしまったのでしょう。どん底まで落ちてこれからのアテもないけれども、それでもこの親子なら喧嘩しながら元気に生きて行く気がします。大変なのは借金取りくんの方かと。
佐々木蔵之介平幹二郎の文字通りの競演。そこに3人芝居として加わる溝端淳平は少し可哀相ではありますが、しかし結果を残して欲しかった。