ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「パーマ屋スミレ」

日本/'12年公演/鄭義信作・演出


高度成長期の九州の炭鉱を舞台に辛く貧しくも必死に生きる人々の姿を描く。鄭義信×新国立劇場の3作目、賞を総なめにした2作目の『焼肉ドラゴン』は以前に観ています*1
鄭義信らしい重厚な人間ドラマ。炭鉱事故によりたった一日で生活が激変し人生が狂ってしまった人々。ベースには日本と朝鮮の関係がありつつも、日本人だから、朝鮮人だから、というのではなく一人一人の人間としてそれぞれの置かれた状況を丁寧に見つめるその筆が温かい。それでいて生きなくてはいけないことに対しては非常に厳しい。だからこそ胸をうつんですね。最後は涙がとまりませんでした。
誰もがもがいている。もがいても、生きる。

*1:過去の日記参照→id:totte:20091024