ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「青春漂流記」


日本/公演中/劇団鹿殺し(丸尾丸一郎作、菜月チョビ演出)


一世風靡しかけた商店街のご当地チャイドル崩れたちが、当時のリーダーの突然の帰還によって忘れていた人生のワクワク感を取り戻す。「劇団鹿殺し」の東京・紀伊国屋ホール進出公演です。
泥臭い人情話でお決まりパターンに過ぎないのに、なぜか魅力的で引き込まれる。久しぶりに鹿で当たりを引きました。登場人物たちは30過ぎてもチャイドル時代を引きずりながら、ワクワク出来るのならそれでいいじゃんと開き直る。これは学生演劇あがりの彼ら自身が「鹿殺し」に抱く想いそのものなのでしょうね。一直線でクサ過ぎるタイトルはどうにかしてほしいですけども。
客演高田聖子のコメディエンヌぶりもさることながら、やはり「主役」をはれる役者とはこういうことをいうのだ、とまで思います。客演陣と並ぶとあれだけ濃いはずの鹿メンバーが薄くみえる不思議。それでも今回の山岸門人は初めて良いと思いました。平手打ちの雨。村木仁は出オチ。